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言語療法

2018年5月16日 (水)

言葉のない世界での生きづらさ~Aさんの話

こんにちは、はなこですヽ(´▽`)

ん?

前の更新はいつだって?

知らんがなヽ(´▽`)

超開き直りモードに突入。

気がついたら新年度だし目が覚めたらGW終わってるし。

まあ~時の経つのは速いものねぇ…(*゚▽゚)ノ


…怒られそうなので本題へ。

前々回の記事で失語症者支援のお話を書きました。

世間の健常者は、

「言葉がしゃべれないって不便よねえ…」くらいの認識だと思います。

責めているわけではありませんよ。

実のところ、失語症者に接する機会の多い私たちSTも、

同じようにしゃべれない辛さというのは想像するしかないのです。

どのくらいの生きづらさを抱えているか、実感として捉えることはできません。

逆に言えば、客観的にみているからこそ支援ができると考えることもできます。

当事者と同じ辛さにどっぷりと浸ってしまったら、

苦しさのあまり身動きが取れなくなるかもしれません。

こんなケースについて聞いたことがあります。


(個人が特定されないよう、少々フェイクをまじえています。)

Aさんは70代男性。

重度の運動失語で自発話はほとんどなく、単語の復唱がやっと可能なレベル。

複雑な文の理解は困難ですが、日常会話は理解でき、

状況判断力もあります。

片麻痺があり、装具を付けて歩行可能です。

奥様と娘さん一家と同居していました。

ある日、Aさんが一人で家にいるときに同居のお孫さんの同級生が数人訪ねてきました。

そのうちの一人が言いました。

「○○君のクラスメイトです。○○君に言われて本を取りに来ました」

平日の昼間。

まだ学校で授業をしている時間じゃないのか…?

変に思いながらも彼らを家にあげました。

お孫さんの部屋に入り目的のものを持って、その日彼らは帰りました。

夕方帰宅したお孫さんにこういうことがあった、と話したくても話せないので、

気になりながらも黙っているしかありませんでした。

そして次の日、また彼らはやってきました。

「○○君に言われてラジカセを取りに来ました」

やはり日の高い時間帯。おかしい。

孫が友達を使い走りにするだろうか…?

いぶかしく思いながらも、失語のあるAさんには問いただすことができません。

彼らは目的のものを持って行きました。

それからも数回そんなことがあり、バット、ゲーム、色々な物を持っていかれました。

Aさんは不安になりながらも何もできませんでした。

そして、たまたま奥様が在宅の時に彼らが現れ、

何しに来たの?まだ学校のある時間でしょ?

名前は?クラスは?など問いただしたところ、逃げ帰ったとのこと。

その日の夜、奥様が娘さんにその話をし、

娘さんがお孫さんと一緒に部屋を確認すると、

彼らが持って行ったものは返されないまま無くなっていたそうです。

そこでお孫さんに対するいやがらせ(いじめ)が発覚。

奥様にこれまでにもこういうことがあったの?と訊かれて初めて、

Aさんはそうだ、と伝えることができたのです。

お孫さんが災難にあっていることに薄々感づいていながら何も言えず、

逆に黙認するような形になってしまった罪悪感はいかばかりだったでしょうか。

Aさんは週に2回外来でリハビリを受けていてSTと会う機会もありました。

もっとも言語症状について理解している相手にすら、伝えることができなかったのです。

ご家族から聞かされたSTがリハビリの時にじっくり話を聞いてみた時に、

奥様が言ったように「何しに来たの?」とか、

「(孫が持ってこいと言ったのは)本当か?」とか、

一言でも自分も言えたら良かったのに、

とAさんは涙ぐまれたそうです。

そしてAさんの心配事に気付いてあげられなかった、と、

担当のSTも深く落ち込んでしまったとか。

失語症当事者の周りの方が、

「話せなくなったなら話さなきゃいいじゃない」

「私たちが代わりに通訳してあげるよ」

等と口にするのをしばしば耳にします。

家にこもっていれば誰とも会わずに済むし…と。

しかし、実際はそんな単純なものではありません。

家にいながらもAさんのような目にあうこともあるのです。

失語症者支援の話題が出るたびに、この話を思い出すはなこでした。

2018年3月 5日 (月)

失語症者向け意思疎通支援事業

こんにちは、第2のブログストッパーはなこですヽ(´▽`)
いつの間にこんなに間が空いたのかしらsweat01
半月ほどのつもりがあらまぁあらまぁ~
ネタを温めていたつもりが温めすぎて腐ってしまうのではsign02
という危機感の元、やっと着手…

今回は失語症者の会話支援の話題です。
従来、聴覚障害者のための手話通訳者や要約筆記者の派遣、
視覚障害者のための代筆・代読・音訳等の支援は、
障害者総合支援法の事業として各自治体が中心となり実施しています。
その障害者総合支援法の仕組みの中で新たに始まるのが、
「失語症者向け意思疎通支援」です。
平成30年度から本格始動するこの取り組みは、
引きこもりがちな失語症者に対し社会参加を促すことが目的ですが、
その橋渡しとなる意思疎通支援者が必要になってきます。
失語症の方とのコミュニケーションは、その病態から非常に複雑で困難を極めるため、
専門的な意思疎通支援者を養成することが、この取り組みの大きな柱となります。

失語症は、「聞く」「話す」「読む」「書く」という4つの言語的側面、
言語の大モダリティと呼ばれますが、この4つが多かれ少なかれ障害されます。
…と、ここまでは医療に関わるよく方々ならばよく耳にすると思いますが、
では、例えば「聞く」ことが障害されるとは一体どういうことなのか、
具体的に想像できる方は少ないのでは、と思います。
「聞く」とは聴覚的理解の事ですよ、耳で聞いて理解することが難しくなるのですよ、
という説明だけでは、世間に理解していただくには不十分だと思います。
これだけでは失語症当事者が実際に直面する困難を想像しきれないのではないでしょうか。
当事者の中でも、長い文レベルで相手に言われたことを理解できる方、
3文節文ならば理解できる方、単語でやっと理解できる方、
あるいは単語の理解すらもあやふやな方、というように、
全く可能であるレベルが異なるのです。
さらに、文中の単語の意味から文意を類推できる方もいれば、
単語の理解はできるはずなのに言われた言葉を頭に留めておけないために、
文の意味が理解できなくなる方もいます。
後者は「聴覚的把持力の低下」と呼ばれます。
このように失語症当事者によって障害の重症度も内容も異なっており、

これは他の3つのモダリティについても同じことが言えます。

失語症の意思疎通支援者を目指す方には、
このような失語症の特徴をよく勉強し、理解を深めておくことが重要になります。
よって、支援者養成には必修科目40時間(講義12時間、実習28時間)、
選択科目40時間(講義8時間、実習32時間)を受講してもらうことが必須と決まりました。
講師は主に言語聴覚士が担いますが、
その他行政職員、理学療法士・作業療法士、当事者やその家族にも協力して頂きます。

これまで家族に頼らざるを得なかった外出先での買い物やその他対外的なことも、
当事者が支援者の助けを借りながら行えるようになると思われます。
また、この取り組みにはもう一つ目玉があり、
「失語症サロン」という当事者が集まれる会を整備することが盛り込まれております。

失語症当事者は実際にどのくらいの人数がいるのか、
正確に把握できていないのが現状です。
30年度から本格始動といわれていても、
まずは各自治体がそれぞれの地域の失語症者の数を把握することから開始せねばなりません。
鹿児島もその例に漏れず、実態調査から開始されると思われます。

地域に埋もれている失語症の方々に、やっとスポットが当たろうとしています。
私たち言語聴覚士も気を引き締めて頑張っていきたいと思いますヽ(´▽`)

2017年10月21日 (土)

コミュニケーションツールのお話

お久しぶりです、はなこですヽ(´▽`)

ブログ、ずいぶん間が空いてしまいました。

みんなで持ち回りで書こうね!と約束していたのですが、誰だ?(チラッ


先日ネットでAACについて調べておりました。

AACとは、 Augmentative and Alternative Communication(拡大・代替コミュニケーション)の略です。

例えば話せない替わりに筆談をするとか50音表を使うとか、そういうものもAACなのです。

今使われているものになどんなのがあるのかな~と何の気なしに検索していたのですが、

ふと気になる記述を見つけたのです。

代表的なコミュニケーション機器であるレッツ・チャットが、実は生産終了されるはずだったというのです。

レッツ・チャットというのはパナソニックが製造している、50音を中心にボタン操作にて言葉を綴れるようになっている器械です。

Photo


こんな感じ。

一昔前はナムコ社の「トーキングエイド」が主流でした。

形は非常によく似ています。

「トーキングエイド」はそれこそもうしばらく前に生産終了しており、

それに代わってレッツ・チャットが世に広まった感がありますね。

福祉用具としてもレッツ・チャットがもっとも用いられてきたのではないでしょうか。

しかし、「もっとも使われていた」と思しきレッツ・チャットがなぜ生産終了の憂き目にあったのか。

それは、医療従事者・言語障害当事者両方に言えることですが、

代替コミュニケーション手段としてこういうものがあると認識している人が少なかったこと、

どういう方が対象になるか分からず導入に二の足を踏んでいたこと、

結果的に利用者が少なくて在庫を抱える結果となったという話です。

しかし、通称かっこちゃん、宮ぷーさんという方々による存続を求める署名運動のおかげで、

レッツ・チャットは現在でも生産され続けています。

お二人についてはここでながながと解説するよりも、

かっこちゃんこと山元加津子さんの運営するサイトをご紹介しておきます。

特別支援学級で働きながら精力的に活動されている山元さんの素敵なサイトです。

また、愛知県一宮市バリアフリーパソコンサポートまほろばのサイトにも、

この署名活動に関する記述がありました。

「おはなしだいすき~あなたの想いが知りたいのです」

http://ohanashi-daisuki.com/index.html

「愛知県一宮市 バリアフリーパソコンサポート       まほろば

会話補助装置「レッツ・チャット」存続を求める要求書名」

http://mahoro-ba.net/e1374.html

コミュニケーション補助具の導入にはご本人のニーズはもちろんのこと、

関わるすべての医療従事者、地方自治体が連携をとらないと難しい側面があります。

まず身体障害者手帳で言語障害の等級を得ておかなければすべて実費、

レッツ・チャットは自費購入しようとすると16万近い値段なのです。

そして手に入れた後は実用するための練習が必要ですが、

経験上、50音をいちいち探すのが億劫だと言って上手くいかない方もいらっしゃいました。

そんなこんなで、STの側も導入して上手くいくんだろうか?という疑念が浮かんできたりもするのです。

しかし、使える方が使えずにいる状況というのももちろんあるわけで、

いつかお問い合わせがある時に備えて私たちもアンテナを張っておかないといけないなあと、

上記のサイトを拝見してあらためて思いました。

これ以外にも、もっとテクニカルなものや逆にお手軽なAACもありますので、

折りに触れてご紹介していけたら、と思います。

2017年4月14日 (金)

パンフレット作成中

こんにちは!福朗すみれです。はなこ1号、はなお、はなたろうとともに、STブログを更新していきますので、よろしくお願いします(o^-^o)。

さて、4月より、ST4人体制となり、訪問を行える範囲も広がりました。

そこで、依頼者のご自宅で、STがどのような訓練を行うのか、訪問リハビリの対象はどんな症状の方か、より多くの方々に知って頂けたらと思い、配布用のパンフレットを作成しているところです。

以前も作製したのですが、今回は、新たに、「字が小さすぎないかな?」「イラストの方が見やすいのでは?」等、前回の反省点をもとに、隅から隅まで読まなくても、大まかにわかるように、大事な部分だけ、大きく表示したり、イラストを加えています。

興味の有る無し問わず、多くの方に目を通して頂けると幸いですo(*^▽^*)o。

2016年9月28日 (水)

教材作成

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こんにちは、はなこですヽ(´▽`)/
気づけば、来週は既に10月に突入しているのですね。
早いな~
春から夏への衣替えもそこそこになっていたのにもう秋になるとは。
衣替え結局しなかったってことか…
そうか…

はなこのだらしなく不甲斐ないプライベートはどうでもいいか!

さて、本日はリハビリで使う道具をご紹介します。
画像は、「ペーシングボード」というもので、
構音障害の方のリハビリに使います。
患者さんの中には呂律が回らないのに、
お元気な頃と同じように話そうとする方が時にいらっしゃいます。
少し速度を落とすと聞き取りやすくなるのに、と思われる方にこれをご紹介しています。

横方向へ指をスライドさせながら発話をするのですが、
間に何本か細い区切りがありますね。
これに指が引っかかるようになっているのです。
発話中に指を止めることにより、それと連動して発話速度も落とすという狙いがあるのです。
これはちゃんとしたものが市販されているのですがそれなりにお値段がしますので、
練習用に手作りしたりします。
大きいものは机上訓練用、小さいのはある程度習得した方の携帯用です。
近頃は専門学校の授業の一環で学生さんたちも作ってみるのだとか。
画像のは裏がシールになっている100均の色紙を使いましたが、
柄入りの折り紙や包装紙、千代紙などでカラフルに作っても面白そうです。
ちなみに、これははなこ2号ちゃんとOT・I氏と私の合作です。
患者さんの受け入れによっても使える使えないは左右されますが、
いろんな引き出しを持つことは大事ですね。




2016年9月 2日 (金)

言語聴覚の日

お久しぶりです!はなこですヽ(´▽`)
えっもう忘れた?
そんなことおっしゃらず
前回の更新が半年以上前!!
待っていてくださった奇特な方がいらっしゃいましたら、
本当に申し訳ありませんでした。
ずっとこのブログのことは頭にあったのですが、
あれ書こう、これ書こうと思っていつつ書けずじまいでした…
難しく考えずにまたいろいろ発信していければと思っておりますので、
どうぞよろしくお願い致します(o^-^o)

さて今日9月1日は「言語聴覚の日」です!
ブログ再開にはちょうどいいんじゃない?と安直に考えてしまいましたが、
Σ( ゜Д゜)ハッ!
もう日をまたいでいるじゃないか!?

一歩遅れたー(;ω;)
でもあらためてご紹介します。
日本言語聴覚士協会は、言語聴覚士法が施行された9月1日を「言語聴覚の日」としています。
言語聴覚障害や摂食・嚥下障害ならびに言語聴覚士について啓蒙するため、、
この前後の期間で広報活動を行っています。
はなこの所属する県士会でもイベントを企画しています。
以下、鹿児島県言語聴覚士会のHPより。
イオンモール鹿児島様にて「ことばの相談会」を開催します!
また、遊びに来てくれた皆さんには、風船をプレゼントします。
・ことばの発達が気になる。
・言語障害って何?
・言語聴覚士になるためには?
当会所属の言語聴覚士がお話を聴きます!

お気軽にお越しください!

日時:平成29年9月17日(土)12:00-15:00
場所:イオンモール鹿児島 空の広場
http://kagoshima-aeonmall.com/news/event/1072

※今年は、「9月1日は言語聴覚の日 & 鹿児島県言語聴覚士会のロゴ入り路面電車が、鹿児島市内を走ります!見たら幸せになるという噂も・・・!
電車見たい!
なかなか可愛らしいデザインのようです。
皆さん街を歩かれる際はどうか気をつけて見てみて下さいね。

さて…
このところ相次ぐ台風の上陸で、
東北・北海道では甚大な被害が生じました。
現地の皆様には心よりお見舞い申し上げます。
この週末、九州にもいきなり現れた台風が直撃しそうな気配です。
どうか皆様、気をつけてお過ごしくださいね。

2015年9月29日 (火)

声の整形

こんにちは、はなこ1号ですヽ(´▽`)

もう2ヶ月ほど前になりますが、驚きのネットニュースを見つけました。
声を整形するのですって。
まとめサイト↓

「ついにここまできたか…韓国で流行しつつある『声の整形』とは」http://matome.naver.jp/odai/2143818280449627301


望みの声を得るために富裕層から始まり、
就活に臨むアナウンサーや歌手志望の若者たちに広まりつつあるとか。
韓国のみならずアメリカでも行われているようです。
基本的には声帯麻痺の患者さんに行うボツリヌス毒の声帯への注射、
つまりボトックスですね。
片麻痺の患者さんにもよく行われる方法です。
その他にも、声枯れに対しヒアルロン酸の注入とか、
加齢による声の変化に対し輪状甲状軟骨接近術などの方法があるそうです。

でも、これには当然専門家から注意を喚起する声が上がっています。
健康な声帯に何らかの処置を施す、というのは当然リスクがありますよね。
ボトックスを受けている患者さんを思い浮かべてみると、
間隔は個人差があるかもしれませんが、定期的なメンテナンスを受けています。
つまり、1回で効果が永続するわけではないのです。
声の整形を受けた人も当然、1~2ヶ月に1回は注射をすることが必要になり、
場合によっては声が全く出なくなることもあるようです。
経済的負担も大きいでしょう…
しかも施術後は1~2週間安定した声が出せないそうですよ。
面接で好印象を与えたいから、という理由で施術に踏み切る若者たちは、
無事就職したあと人と接することのない部署に配属されればいいですが、
営業職や接客業だったら?
歌手や俳優やアナウンサーだったら?
「良い声だ!」と認められたならなおさら人前に出される機会も増えそうなものですが。
なのにメンテナンスのためにその声を出せないまとまった時期があるという矛盾。
アナウンサーならなおさら深刻です。
定期的に声が出せなくなるアナウンサーなんて、レギュラー出演させられるのでしょうか?
声帯をいじることで就職はできてもその道での成功は遠いのでは…
歌手だって、売れれば多少のわがままはきくかもしれませんが、
売り出し中で「今歌えません」というわけにもいかないでしょうし。
あっという間に干されそうな…
と、余計なお世話ですかね??coldsweats01
そこまでしなくてはならないほどの就職難ということなのか…

なかなか理解しづらいところですが、
もともと自分の声や話し方にコンプレックスがあるなら、
プロのトレーナーについて訓練するのが現実的でしょうね。
今持っている声を生かすのがもっとも望ましいあり方だと思います。

2015年9月21日 (月)

言語聴覚の日

こんにちは、はなこ1号ですヽ(´▽`)
これまた随分間が空いてしまいました…
完全に忘れ去られる前に復活しなければ!!

当クリニックで訪問STを開始してから1年と8ヶ月ほど経ちます。
早いものですね~
ケアマネさん方にも少しずつ認知していただいてきて、
おかげさまで少しずつ担当件数も増えています。
ありがたいことです。
肝心のSTが、教材作りと書類書きと検査まとめに追われてやや狂っていますがcoldsweats01
まだ教材や自主トレ用課題などのストックが足りないので、
今のうちは仕方ないことですが…

さて。
9月1日は「言語聴覚の日」だということをご存知でしょうか?
言語聴覚士法が施行されたのが平成10年9月1日なのです。
つまり、やっと言語聴覚士が国家資格として認められた日、とも言えますね。
まだ国家資格になって17年ほどしか経っていないのですよ。
言語聴覚士そのものや言語聴覚療法、言語障害、摂食・嚥下障害について、
もっと世間の人々に知っていただくことを目的に、
この時期は全国各地で関連のイベントが行われます。
まだまだ地味なので「えっそうなの?知らなかった」という方がほとんどでは?confident
鹿児島でも9月13日にイオン鹿児島「風の広場」にて、
鹿児島県言語聴覚士会主催のことばの相談会が行なわれました。
県士会から6名ほどのSTが風船を配ってアピールしたり、
一般の方からのことばの相談について対応したりしました。
はなこたちは担当ではなかったので参加していませんが、
小児関連のご相談が多かったと聞いております。
それでも相談されたほとんどの方は何かしらの支援を受けていらっしゃるとのこと。
少しずつですが、私たちの存在も知られてきているということでしょうか。
さあ、ますます気を引き締めないとbleah


当クリニックでも、2号ちゃんと励まし合って頑張っておりますので、
今後ともどうぞよろしくお願いします。

2015年4月 9日 (木)

つんく♂さん、声帯摘出に思う

こんにちは、はなこ1号ですヽ(´▽`)
このところ、歌手で音楽プロデューサーのつんく♂さんが、
喉頭がんの再発のため、声帯を摘出したという話題がメディアを賑わしていますね。
そして、現在では食道発声法獲得のためのリハビリに取り組んでいらっしゃるとか。

ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150406-00000002-spnannex-ent
(↑hを足して検索ください)

食道発声法。
ということは、部分切除でなく喉頭全摘だったのでしょうか。
喉頭を摘出すると、食道と気道は完全に分離され、永久気管孔を開けて呼吸をします。
鼻呼吸もできないしにおいもわからなくなります。
そして声帯がないので、空気を送っても振動する「音源」を作る場所がありません。
そのため、空気の塊を飲み込んで一気に放出するときに出る音を利用して、
第2の音声として活用しよう、というのが食道発声法なのです。

私はずいぶん前に講習を受けたことがあります。
STになってまだ数年の頃でした。
方法としては、いわゆる「ゲップ」を応用するということです。
これは、実技としてやってみたとき非常に苦しかったのを覚えています。
まず、意図的に空気を飲み込むことから難しい。
そして音がでるように大きなゲップとして放出…さらに難しい。
慣れてきたらそれに母音をのせる…「あ、い、う、え、お」というように。
このあたりまではなんとかできても、そのあとも幾つかハードルがあります。
短い講習ということもあり、その後も外科的処置後の音声喪失の方を担当する機会がなく、
その先までは体験しておりません。

その時に食道発声法を体得した方の体験談を少し伺いました。
食道発声でまた声を獲得できた喜び、ということはもちろんある。
しかし、不利益もある。
何も知らない人は自分の話し方を聞いて顔をしかめる。
なんといっても原理は「ゲップ」なので、声帯を震わせて出るような透明感のある声ではなく、
他者が聞いて美しい声とはいえない。
つまり…
「ゲップをずっと繰り返すなんて失礼な…」という態度に出る人もいるらしいのです。
また、食道発声では無声子音が出しにくいという特徴もあり、
とりわけ声門無声摩擦音/h/はほとんど無理といわれています。
そして、たくさんの息をためておく練習に長けていなければ、
長めのセンテンスを話すのが難しい、ということもあります。

電気式人工喉頭を使えばもっと楽に話せます。
マイクのようなヒゲソリのような見栄えの機械を喉元に当てて話すのですが、
その音声は機械的で冷たく平坦である、と表現されます。
「ロボットのよう」と患者さんご自身が敬遠するケースもあるとか。
最近では手術による方法も紹介され、「気道食道シャント法」という、
ストレスなく声を出せるようになる術式も広まりつつあるそうです。
ただし体内に人工物を埋め込むので、定期的なメンテナンスを要します。

いくつかの方法の中でも、獲得できる割合が少ないと言われるのが食道発声法。
でも、この方法を選ぶ方が日本では多いと聞いたことがあります。
なぜなのか。
これも患者さんの実体験の中で語られました。
「質は変わっても、自分の声だから」
「自分自身が口を開き、自分が出そうと思ったときに、自分の中から発せられる、
まさにこれが自分の声なのだ」
自分が「話している」という実感。
それを重要視する方たちにとっては、大いに挑戦に値する方法なのでしょう。

どれが良い、とは一概には言えません。
どの方法にも長所があり、短所があります。
ただ、患者さんご本人がどの方法を選択しても、
それはその方の生活の質を向上させるためのもの、
人生を豊かにするためのものなのです。
その方がよりよく生きていくために最良の方法であると信じ、
我々も支援していきたいものです。
つんく♂さんのこれからを応援しますconfident

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